指しゃぶりはいつまで続く?やめる時期とやめさせ方のポイント

指しゃぶり

こどもの指しゃぶりを見て、いつまで続くのか不安に感じている親御さんは多いのではないでしょうか。

赤ちゃんの頃はかわいらしく思えた習慣も、成長するにつれて歯並びや衛生面が気になり始めます。

周りのこどもたちがやめていく中で、わが子だけが続けていると焦りを感じることもあるでしょう。

この記事では、指しゃぶりをがいつまで続くのかという疑問から、続く理由、やめさせる適切な時期と方法、そして長引く場合の対処法まで詳しく解説します。

指しゃぶりはいつまで続くの?一般的な時期と個人差

指しゃぶりは3歳から4歳頃に自然にやめることが多いですが、個人差が非常に大きく、焦る必要はありません。

年齢別の傾向と特徴を理解することが重要です。新生児から生後6ヶ月頃までは、指しゃぶりは極めて自然な行動であり、ほぼすべての赤ちゃんが行います。これは吸啜反射という生まれつきの反射によるもので、指を吸うことで安心感を得たり、眠りにつきやすくなったりします。この時期の指しゃぶりは全く問題ありません。

6ヶ月から1歳頃になると、指しゃぶりは習慣として定着することがあります。眠い時、退屈な時、不安な時などに指を吸うようになります。この時期はまだ無理にやめさせる必要はなく、自然な発達過程として見守ることが大切です。歯が生え始める時期でもあり、歯茎のムズムズ感を和らげるために指を吸うこともあります。

1歳から2歳頃は、指しゃぶりが続く子と徐々に減っていく子に分かれ始めます。言葉や運動能力の発達により、他の興味が増えて自然に指しゃぶりが減る子もいれば、安心感を得るために続ける子もいます。この時期はまだ無理にやめさせる必要はありませんが、日中起きている時の指しゃぶりが減っていくことが望ましいとされています。

2歳から3歳頃になると、多くのこどもで指しゃぶりが減少し始めます。言葉でのコミュニケーションが発達し、遊びも豊かになることで、指しゃぶり以外の安心方法を見つけられるようになります。ただし、ストレスを感じやすい子、敏感な子などは、まだ指しゃぶりを続けることがあります。この時期から、様子を見ながら徐々に減らしていく働きかけを始めることができます。

3歳から4歳頃は、多くのこどもが自然に指しゃぶりをやめる時期です。友達との関わりが増え、社会性が発達することで、「大きい子は指を吸わない」ということを理解し始めます。また、自己コントロール能力も向上し、意識的に指しゃぶりをやめられるようになります。この時期までに日中の指しゃぶりがなくなることが理想的ですが、寝る時だけ続けている子も少なくありません。

4歳から5歳頃になると、ほとんどのこどもが指しゃぶりをやめています。しかし、この年齢でもまだ続けている子もおり、それが必ずしも問題というわけではありません。ただし、この時期になると歯並びへの影響が気になり始めるため、積極的にやめる働きかけを考える時期でもあります。

自然に卒業する子の割合として、統計的には3歳までに約60〜70%のこどもが自然に指しゃぶりをやめると言われています。4歳までには約80〜85%、5歳までには約90%以上のこどもがやめるとされています。つまり、多くのこどもは親が特に介入しなくても、自然にやめていくのです。

続く場合の心配の必要性について、4歳を過ぎても指しゃぶりが続いている場合、何か問題があるわけではありませんが、歯並びへの影響や心理的な要因を考慮する必要が出てきます。ただし、焦って無理やりやめさせようとすると、かえってストレスが増えて指しゃぶりが強化されることもあるため、慎重なアプローチが必要です。

小学校入学までの目安として、多くの専門家は「小学校入学までにやめられれば良い」という見解を示しています。小学校に入ると、友達から指摘されることで自然にやめるケースも多くあります。ただし、永久歯への影響を考えると、6歳頃までにはやめることが望ましいとされています。

個人差が大きい理由として、こどもの気質、環境、ストレスレベル、感覚の敏感さなど、様々な要因が影響します。兄弟姉妹でも全く異なることがあり、上の子は早くやめたのに下の子は長く続くといったケースもよくあります。他の子と比較して焦る必要はなく、その子のペースを尊重することが大切です。

寝る時だけの指しゃぶりは長く続く傾向があります。日中は意識的にやめられても、眠りに入る時の習慣として残ることが多く、これは5歳、6歳まで続くこともあります。寝る時だけであれば、日中ほど歯並びへの影響は少ないとされていますが、完全にやめることが理想的です。

このように、指しゃぶりがいつまで続くかは個人差が大きく、多くは3〜4歳頃に自然にやめていきますが、焦らず見守ることが大切です。

では、なぜ指しゃぶりが続くのか、その理由を理解してみましょう。

指しゃぶりが続く理由と心理的背景

指しゃぶりが続くのは、こどもにとって安心感を得るための重要な手段であり、心理的な安定を保つための行動です。

安心感を得るための行動として、指しゃぶりは最も原始的で確実な自己鎮静方法です。お腹の中にいた頃から指を吸う行動をしており、生まれてからもその感覚が安心をもたらします。不安な時、眠い時、疲れた時に指を吸うことで、心が落ち着き、リラックスできるのです。大人がコーヒーを飲んだり、深呼吸をしたりしてリラックスするのと同様に、こどもにとって指しゃぶりは確実な安心方法なのです。

母親との分離不安との関連もあります。赤ちゃんの頃は母乳やミルクを吸うことで母親との一体感を感じていました。指しゃぶりはその延長線上にあり、母親がそばにいなくても、指を吸うことで安心感を得られます。保育園に通い始めた、下の子が生まれたといった、母親との関わりが減る変化があった時に、指しゃぶりが増えることがあるのはこのためです。

ストレスや不安との関係も深いものがあります。環境の変化、家族関係の変化、友達とのトラブルなど、こどもなりのストレスを感じた時に、指しゃぶりで心を落ち着かせようとします。引っ越し、転園、親の離婚、家族の病気など、大きな変化があった時に指しゃぶりが増えたり、一度やめていたのに再開したりすることがあります。これは、こどもが自分なりにストレスに対処しようとしている証拠です。

習慣化のメカニズムとして、繰り返し行われる行動は脳に強く刻まれていきます。特に、眠りに入る時の指しゃぶりは、「指を吸う→リラックスする→眠りに入る」という一連の流れが習慣化しやすく、やめるのが難しくなります。これは悪い癖というよりも、脳が学習した「眠るための手順」になっているのです。

感覚の敏感さも影響します。触覚や口腔感覚が敏感なこどもは、指しゃぶりによる感覚的な刺激を求める傾向があります。指を吸うことで得られる触覚や圧力の感覚が、感覚を整理し、落ち着くことにつながるのです。このようなこどもは、単に「やめなさい」と言われても、代わりの感覚刺激がなければやめられないことがあります。

退屈さを紛らわせる手段としても機能します。特に何もすることがない時、テレビを見ている時、車に乗っている時など、手持ち無沙汰な時に無意識に指を吸ってしまうことがあります。この場合の指しゃぶりは、不安というよりも単なる習慣であることが多く、他の活動に集中している時は吸わないことが特徴です。

環境変化の影響も大きな要因です。新しい環境に適応しようとする時、こどもは大きなエネルギーを使います。保育園や幼稚園に通い始めた、新しいクラスになった、先生が変わったといった変化があると、それに適応するために心理的負担が増え、指しゃぶりで安心を求めることがあります。環境に慣れてくれば、自然に減っていくことも多くあります。

兄弟姉妹の誕生も大きな影響を与えます。下の子が生まれると、上の子は「赤ちゃん返り」として指しゃぶりを再開することがあります。これは、親の愛情が下の子に向いていると感じ、不安や寂しさを感じているサインです。また、下の子が指しゃぶりをしているのを見て、真似して始めることもあります。

親の過度な心配や叱責も逆効果になることがあります。「やめなさい」と繰り返し言われることで、こどもはプレッシャーを感じ、かえってストレスが増えて指しゃぶりが強化されることがあります。また、指しゃぶりについて過度に注目することで、こどもが「指を吸うと親が反応してくれる」と学習し、注目を引くための手段として使うこともあります。

発達の個人差も理由の一つです。感情のコントロール能力、自己調整能力、言語能力などの発達には個人差があります。これらの能力がまだ十分に発達していないこどもは、指しゃぶり以外の方法でストレスや不安に対処することが難しく、結果として指しゃぶりが長く続きます。

気質との関連もあります。生まれつき敏感で、新しいことに慎重な気質のこどもは、安心を求めて指しゃぶりを続ける傾向があります。逆に、活発で外向的なこどもは、他の活動に興味が向き、比較的早く指しゃぶりをやめることが多いとされています。

このように、指しゃぶりが続くのには様々な理由があり、多くは心理的な安定を求める正常な反応です。

理由を理解した上で、適切なやめさせ方を考えてみましょう。

指しゃぶりをやめさせる適切な時期と方法

指しゃぶりをやめさせる適切な時期は3〜4歳頃から徐々に始め、無理強いせず段階的に進めることが効果的です。

やめさせ始める適切な時期として、一般的には3歳頃から意識し始めると良いとされています。この年齢になると、言葉でのコミュニケーションが可能になり、「指を吸わない方が良い理由」を理解できるようになります。また、自己コントロール能力も発達し始め、意識的に指しゃぶりを控えることができるようになります。ただし、無理にやめさせようとするのではなく、まずは日中の指しゃぶりを減らすことから始めます。

4歳を過ぎても続いている場合は、より積極的なアプローチを検討する時期です。永久歯が生え始める前までにやめることが歯並びへの影響を最小限にするために重要です。ただし、こどもの心理状態を最優先し、大きなストレスを与えないよう配慮しながら進めることが大切です。

段階的なアプローチが最も効果的な方法です。いきなり「今日から絶対にダメ」と禁止するのではなく、少しずつ減らしていくことが成功の鍵です。まず、日中起きている時の指しゃぶりを減らすことから始めます。「お外にいる時は指を吸わないようにしようね」「ご飯の時は吸わないね」といった具合に、場面や時間を限定して減らしていきます。

次の段階として、家の中でも日中は吸わないことを目指します。「起きている時間は吸わないで、寝る時だけにしようね」と、寝る時だけ許可する期間を設けます。最終的には、寝る時も吸わないことを目指しますが、これは最も難しいステップなので、焦らず時間をかけて進めます。

無理強いしない配慮が何より重要です。強制的にやめさせようとすると、こどもはストレスを感じ、隠れて吸うようになったり、別の問題行動が出たりすることがあります。「大丈夫、○○ちゃんのペースでやめようね」「焦らなくていいからね」と、こどものペースを尊重する姿勢を示すことが大切です。

こどもの気持ちを聞くことも効果的です。「指を吸うとどんな気持ちになるの?」「どんな時に吸いたくなるの?」と聞くことで、こども自身が自分の行動を意識するようになります。また、「指を吸わない方が良いって知ってる?」「○○ちゃんはどう思う?」と、こども自身に考えさせることで、主体的にやめようという気持ちを育てます。

代替行動の提案も有効な方法です。指しゃぶりで得ていた安心感を、他の方法で得られるよう提案します。お気に入りのぬいぐるみを抱く、柔らかいブランケットを触る、手に持てるおもちゃを握るといった代替行動を提案します。また、不安な時は「お母さんに言ってね」「抱っこしようね」と、親に甘える方法を教えることも効果的です。

感覚を満たす代替方法として、口腔感覚を求めているこどもには、硬い野菜スティック(人参、きゅうりなど)を噛む、ガムを噛む(年齢が適切であれば)、ストローで水を飲むといった方法を提案します。触覚を求めている場合は、感触の良いおもちゃ、粘土、スライムなどで遊ぶことで、感覚を満たすことができます。

褒めて伸ばす方法が最も効果的です。指を吸わずにいられた時間があれば、「すごい!30分も吸わないでいられたね!」と具体的に褒めます。完全にやめなくても、少しでも減った、少しの時間でもやめられたことを認めて褒めることで、こどもは自信を持ち、さらに頑張ろうという気持ちになります。

ご褒美システムの活用も一つの方法です。カレンダーにシールを貼る、一週間頑張れたら特別なことをするといったご褒美システムを作ることで、目標を持ちやすくなります。ただし、物質的なご褒美に頼りすぎず、「頑張ったね」という言葉や、親子の特別な時間をご褒美にすることを優先します。

絵本や動画の活用も効果的です。指しゃぶりをやめるテーマの絵本を読んだり、同じような経験をしているキャラクターの動画を見たりすることで、「自分だけじゃないんだ」「やめられるんだ」という気持ちになります。物語を通じて、やめることの良さを理解することができます。

環境を整えることも大切です。手が空いている時に無意識に指を吸ってしまうため、手を使う遊びを増やします。粘土、お絵描き、ブロック、パズルなど、両手を使う活動に集中している時は、自然と指しゃぶりが減ります。また、退屈しないよう、日中の活動を充実させることも効果的です。

指にばんそうこうや苦い液体を塗る方法は、慎重に使います。これらの方法は一定の効果がありますが、無理やり感が強く、ストレスを感じるこどももいます。使う場合は、こども自身が「やめたい」と思っている時に、補助的な手段として使うことが望ましいです。また、「罰」としてではなく、「やめるのを助けるため」というポジティブな説明をすることが大切です。

寝る時の指しゃぶりへの対応は特に注意が必要です。寝る時の習慣を変えるのは最も難しいため、まずは日中の指しゃぶりを完全にやめてから取り組みます。寝る前の新しいルーティン(絵本を読む、背中をさする、子守唄を歌うなど)を作ることで、指しゃぶりなしでも眠れる方法を身につけます。

手袋をする方法も、寝る時の指しゃぶり防止に使われますが、これもこども自身が納得している場合に限ります。「指しゃぶりをやめるために手袋をつけようね」と説明し、こどもが同意した上で使います。

このように、段階的に、こどものペースで、褒めながら進めることが、指しゃぶりをやめさせる効果的な方法です。

しかし、これらの方法を試しても長引く場合は、別のアプローチが必要かもしれません。

指しゃぶりが長引く場合の対処と相談先

指しゃぶりが長引く場合は、歯並びへの影響を考慮しながら、必要に応じて専門家に相談し、長期的な視点で対処することが重要です。

歯並びへの影響と対策として、指しゃぶりが長期間続くと、前歯が前に出る(出っ歯)、上下の歯が噛み合わない(開咬)、歯並びが悪くなる(不正咬合)といった問題が生じる可能性があります。一般的に、4歳を過ぎても頻繁に指しゃぶりをしている場合、歯並びへの影響が出始めるとされています。ただし、永久歯が生える前(6歳頃まで)にやめれば、多くの場合、自然に改善すると言われています。

歯科医への相談のタイミングとして、4歳を過ぎても日中頻繁に指しゃぶりをしている場合、5歳を過ぎても寝る時の指しゃぶりが続いている場合、すでに歯並びに変化が見られる場合は、小児歯科医に相談することを検討します。歯科医は、現在の歯並びの状態を確認し、指しゃぶりの影響について説明してくれます。また、やめるためのアドバイスや、必要に応じて専用の装置を提案してくれることもあります。

歯科的なアプローチとして、マウスピースのような装置を使って、物理的に指しゃぶりをできなくする方法もあります。ただし、これは最終手段であり、こどもの心理的な負担も大きいため、他の方法を十分に試した後に考慮します。

皮膚トラブルへの対処も重要です。長期間の指しゃぶりにより、指の皮膚が硬くなる(たこができる)、ひび割れる、爪の変形が起こることがあります。これらの皮膚トラブルが見られる場合は、皮膚科への相談も検討します。保湿クリームでケアをすること、手洗い後はしっかり乾かすことなど、基本的なケアも大切です。

感染症のリスクも考慮が必要です。指を吸うことで、手についた細菌やウイルスが口に入りやすくなります。特に保育園や幼稚園に通っているこどもは、様々なものに触れるため、こまめな手洗いと消毒が重要です。

専門家への相談タイミングとして、以下のような場合は、小児科医、歯科医、臨床心理士などの専門家に相談することを検討します:5歳を過ぎても日中頻繁に指しゃぶりをしている;様々な方法を試しても全く改善しない;指しゃぶりと同時に、髪を抜く、爪を噛むなど他の問題行動も見られる;明らかに歯並びに影響が出ている;こども自身がやめたいのにやめられず、悩んでいる;親が精神的に限界を感じている。

小児科医への相談では、全般的な発達状態や、指しゃぶりが続く背景にある問題がないかを確認してもらえます。発達の遅れ、感覚統合の問題、ストレス要因など、専門的な視点から評価してもらえます。

臨床心理士への相談は、心理的な要因が大きい場合に有効です。家庭環境のストレス、不安障害、愛着の問題など、指しゃぶりの背景にある心理的要因を探り、適切な対応方法をアドバイスしてもらえます。また、親へのカウンセリングを通じて、親子関係の改善を図ることもあります。

言語聴覚士への相談も選択肢の一つです。口腔機能に問題がある場合、言語聴覚士が口腔の感覚や筋肉の使い方についてアドバイスしてくれます。特に、感覚を求めて指しゃぶりをしているこどもには、適切な感覚刺激を提供する方法を教えてもらえます。

長期的な視点での見守り方として、焦らず、比べず、こども自身の成長を信じることが何より大切です。多くの場合、小学校に入る頃には自然にやめるものです。友達からの指摘や、自分自身の自覚が芽生えることで、急に「もうやめる」と決意することもあります。

親の不安がこどもに伝わらないよう注意することも重要です。親が過度に心配し、神経質になると、その雰囲気がこどもにも伝わり、かえってストレスが増えて指しゃぶりが強化されることがあります。「いつかはやめられる」という長期的な視点を持ち、おおらかに見守る姿勢が大切です。

他の良い面を認めることも忘れてはいけません。指しゃぶりが続いているからといって、こどもの全てが問題というわけではありません。こどもの良いところ、頑張っているところをたくさん見つけて褒めることで、自己肯定感が育ち、結果的に指しゃぶりをやめる力にもつながります。

環境を整えることで、自然にやめる機会を作ります。小学校入学、新しい習い事を始める、引っ越しなど、環境が変わるタイミングは、「新しい自分になる」きっかけになります。「小学生になったから、もう指は吸わないね」といった声かけで、区切りをつけやすくなることがあります。

記録をつけることで、小さな進歩を実感できます。「先月より減った」「前は一日中吸っていたけど、今は寝る時だけ」といった進歩を記録することで、確実に改善していることを実感でき、親の励みにもなります。

同じような経験をした他の親との情報交換も役立ちます。「うちの子もこうだった」「こんな方法で乗り越えた」という体験談を聞くことで、具体的なアイデアを得られたり、孤独感が軽減されたりします。

自分を責めないことも大切です。指しゃぶりが続いているのは、決して親の育て方が悪いわけではありません。こどもの個性や気質、様々な要因が絡み合った結果です。「ダメな親だ」と自分を責めるのではなく、「今、できることをやっている」と自分を認めることが大切です。

将来への希望を持つことで、今の困難も乗り越えられます。指しゃぶりが長く続いても、最終的にはほぼ全てのこどもがやめます。中学生、高校生になっても指しゃぶりをしている人はほとんどいません。つまり、どこかのタイミングで必ずやめるのです。焦らず、信じて、見守ることが、親にできる最善のサポートです。

このように、指しゃぶりが長引く場合でも、適切な対処と専門家のサポート、そして長期的な視点があれば、必ず乗り越えることができます。歯並びへの配慮をしながらも、こどもの心を最優先に、愛情を持って見守っていきましょう。そして、いつか「あの頃は心配したけど、無事にやめられたね」と笑える日が必ず来ることを信じて、一日一日を過ごしていきましょう。

監修

代表理事
佐々木知香

略歴

2017年 本田右志理事長より右脳記憶教育講座を指南、「JUNKK認定マスター講師」取得
2018年 幼児教室アップルキッズをリビングサロンとして開講
2020年 佐々木進学教室Tokiwaみらい内へ移転、「佐々木進学教室幼児部」として再スタート
2025年 一般社団法人 日本右脳記憶教育協会(JUNKK)代表理事に就任
塾講師として中高生の学習指導に長年携わる中で、幼児期・小学校期の「学びの土台づくり」の重要性を痛感。
結婚を機に地方へ移住後、教育情報や環境の地域間格差を実感し、「地域に根差した実践の場をつくりたい」との想いから、幼児教室アップルキッズを開校。
発達障害や不登校の支援、放課後等デイサービスでの指導、子ども食堂での学習支援など、多様な子どもたちに寄り添う教育活動を展開中。