イヤイヤ期に無視するのは効果的?正しい距離の取り方で安心感を!

イヤイヤ期

イヤイヤ期のこどもの癇癪や理不尽な要求に、無視することで対応しようと考えたことはありませんか。

「泣いても無視すれば諦める」「かまうから余計に悪化する」といった意見を聞いて、無視という方法を試したくなる気持ちもわかります。

しかし、イヤイヤ期のこどもへの無視という対応は、使い方を間違えると親子関係に深刻な影響を及ぼす可能性があります。

この記事では、無視することがこどもに与える影響から、効果的な距離の取り方、無視以外の対応法、そして長期的な親子関係の築き方まで詳しく解説します。

イヤイヤ期のこどもを無視することの影響

イヤイヤ期のこどもを完全に無視することは逆効果であり、適切な見守りと一時的な距離の取り方が重要です。

無視と見守りの違いを明確に理解することが大切です。無視とは、こどもの存在そのものを認めず、声をかけられても反応せず、完全に関心を示さない対応を指します。一方、見守りとは、少し距離を置きながらも様子を観察し、必要に応じて介入する姿勢を指します。この二つは全く異なるアプローチであり、前者は有害ですが、後者は効果的です。無視は「あなたの存在を認めない」というメッセージを送りますが、見守りは「あなたを信じて待っている」というメッセージを送るのです。

完全無視がもたらす悪影響は深刻です。こどもが泣いている時、困っている時、助けを求めている時に、親が完全に無視すると、こどもは「自分は価値のない存在だ」「誰も助けてくれない」という絶望感を抱きます。特に1歳半から3歳頃のこどもは、まだ自分で感情をコントロールする力が未熟であり、親のサポートが不可欠な時期です。この時期に完全に無視されると、不安や恐怖が増幅され、かえって癇癪が激しくなったり、長期化したりすることがあります。

こどもの心理への影響として、無視され続けたこどもは、様々な心理的問題を抱える可能性があります。自己肯定感の低下、愛着形成の障害、感情表現の抑制、他者への不信感などが生じることがあります。「自分が何をしても親は見てくれない」という経験は、こどもの心に深い傷を残し、将来の人間関係や精神的健康に影響を及ぼす可能性があります。また、無視されることで、こどもはより極端な行動(自傷行為、激しい癇癪、攻撃的行動など)でしか注目を得られないと学習してしまうこともあります。

信頼関係への影響も見逃せません。親子関係の基盤は信頼です。「困った時、親が助けてくれる」「辛い時、親が寄り添ってくれる」という経験の積み重ねが、安定した愛着を形成します。しかし、無視という対応を続けると、この信頼関係が損なわれます。こどもは「親は信頼できない存在」と認識し、将来的に親に相談することを避けたり、感情を閉ざしたりする可能性があります。

一時的な癇癪への対応としての誤解もあります。「泣いている時は無視すれば良い」というアドバイスを誤解して、完全に無視してしまうケースがありますが、これは適切ではありません。確かに、癇癪の最中に過剰に反応することは逆効果ですが、完全に無視することと、冷静に見守ることは全く異なります。見守りの場合は、こどもに「お母さんはここにいるよ」「落ち着いたら話そうね」といった最低限の声かけをし、心理的なつながりを保ちます。

無視が効果的に見える場合の誤解として、確かに無視することで一時的に癇癪が収まることがあります。しかし、これは「諦めた」だけであり、根本的な問題解決にはなっていません。むしろ、「何をしても無駄だ」という無力感を学習させてしまう可能性があります。また、表面的には落ち着いて見えても、内面では不安や怒りを溜め込んでおり、後で別の形で問題が表れることもあります。

年齢による影響の違いも考慮が必要です。特に2歳未満の非常に幼いこどもを無視することは、発達に深刻な影響を及ぼす可能性があります。この年齢では、親からの応答的な関わりが脳の発達に不可欠であり、無視されることで発達が遅れるリスクがあります。2歳から3歳でも、まだ自己調整能力が未熟な時期であり、完全な無視は適切ではありません。

文化的背景による誤解もあります。一部の育児方法では「泣いても抱っこしない」「無視して自立を促す」といったアプローチが推奨されることがありますが、これらは科学的根拠に乏しく、現代の発達心理学では推奨されていません。愛着理論の研究からも、応答的な養育が健全な発達に不可欠であることが明らかになっています。

適切な距離の取り方と無視の違いをまとめると、無視は「存在を認めない」ことですが、適切な距離を取ることは「自立を促しながらも見守る」ことです。前者はこどもを孤立させますが、後者はこどもに「自分で落ち着く力」を育てながらも、安心感を提供します。

このように、イヤイヤ期のこどもを無視することは、多くの悪影響をもたらす可能性があり、推奨されません。

では、無視ではない、効果的な距離の取り方とはどのようなものなのでしょうか。

効果的な距離の取り方と見守りの方法

効果的な距離の取り方は、物理的距離と心理的つながりのバランスを保ち、こどもに安心感を与えながら自己調整の機会を提供することです。

物理的距離と心理的距離のバランスが重要なポイントです。物理的には少し離れていても、心理的なつながりは保つことが大切です。例えば、癇癪を起こしているこどもから2〜3メートル離れた場所に座りながらも、視線はこどもに向け、「お母さんはここにいるからね」と短く声をかけます。完全に部屋を出て行くのではなく、こどもの視界に入る位置を保つことで、「見捨てられていない」という安心感を与えます。表情も重要で、無表情で冷たい態度を取るのではなく、穏やかな表情を保ちます。

適切な距離感の目安として、年齢やこどもの性格によって異なりますが、一般的には同じ部屋の中で、こどもが助けを求めればすぐに駆けつけられる距離が適切です。完全に別室に行くのは、3歳以降で、かつこども自身が「一人で落ち着きたい」と言った場合のみです。それ以前の年齢では、同じ空間にいながら物理的に少し距離を取る程度が適切です。

声かけのタイミングを見極めることも重要です。癇癪が始まった直後は、刺激を最小限にするため、多くを語らず「お母さんはここにいるよ」という程度の短い言葉にとどめます。癇癪がピークに達している間は、安全確保以外は距離を保ちますが、完全に無言になるのではなく、時々「大丈夫だよ」と声をかけます。泣き声が小さくなってきた、体の緊張が緩んできたといったサインが見られたら、「頑張ったね」「落ち着いてきたね」と声をかけ、徐々に近づいていきます。完全に落ち着いてから、「どうしたかったの?」とこどもの気持ちを聞く姿勢を示します。

安全確保を前提とした見守りは絶対条件です。距離を取る場合でも、こどもが危険な行動を取っていないか、周囲に危険なものがないかを常に確認します。頭を打ちつける、物を投げる、高い場所に登るといった危険な行動が見られた場合は、すぐに介入して安全を確保します。見守りとは「目を離す」ことではなく、「少し離れた場所から注意深く観察する」ことです。

環境整備も大切な要素です。距離を取る前に、こどもが安全に過ごせる環境を整えます。尖ったものや硬いものを片付け、こどもが怪我をする可能性のあるものを除去します。クッションや柔らかいマットを敷くことで、万が一転んでも怪我をしにくい環境を作ります。

感情的にならない対応を心がけることも重要です。こどもが癇癪を起こしている時、親も感情的になりがちですが、ここで怒鳴ったり、イライラをぶつけたりすると、状況は悪化します。深呼吸をする、心の中で10まで数える、「これは成長の過程」と自分に言い聞かせるといった方法で、まず親自身が冷静になることが大切です。冷静な声のトーンで、短く明確に話すことを心がけます。

一貫した態度を保つことも効果的です。日によって対応が変わると、こどもは混乱します。基本的には同じスタンスで対応し、「癇癪を起こしても要求は通らない」「でもあなたのことは大切に思っている」というメッセージを一貫して伝えます。ただし、体調が悪い時など、特別な状況では柔軟に対応することも必要です。

兄弟姉妹がいる場合の配慮も忘れてはいけません。一人のこどもが癇癪を起こしている間、他の兄弟姉妹が不安にならないよう、「今は○○ちゃんが泣いているから、少し待っていようね」と説明します。また、癇癪を起こすことで親の注目を集められると学習しないよう、普段から他の兄弟姉妹にも十分な愛情を示すことが大切です。

時間の区切りを意識することも有効です。見守りの時間があまりに長くなると、こどもは本当に見捨てられたと感じる可能性があります。一般的には、5〜10分程度を目安に、その間に落ち着かない場合は、より積極的に関わる方向に切り替えることを検討します。

事後のフォローも重要な要素です。癇癪が完全に収まった後は、「大変だったね」「疲れたね」と共感の言葉をかけ、抱きしめたりスキンシップを取ったりして、安心感を与えます。この時、癇癪の内容について詳しく話し合う必要はありませんが、「次は違う方法で伝えようね」といった建設的な提案を簡潔にすることは効果的です。

記録をつけることで、効果的な対応方法が見えてきます。どのような距離の取り方が効果的だったか、どのタイミングでの声かけが良かったかを記録することで、自分のこどもに合った最適な方法が明確になります。

このように、無視ではなく適切な距離を取りながら見守ることで、こどもは安心感を持ちながら自己調整能力を育てることができます。

しかし、距離を取る以外にも効果的な対応法は数多く存在します。

無視以外の効果的な対応法

無視以外の効果的な対応法は多様であり、共感・気そらし・タイムアウト法など、状況に応じて柔軟に使い分けることが重要です。

共感を示しながらの寄り添いは、最も基本的で効果的なアプローチです。「○○したかったんだね」「悲しかったね」「イライラしたね」といった共感の言葉をかけることで、こどもは「自分の気持ちをわかってもらえた」という安心感を得ます。これは無視とは正反対のアプローチですが、非常に効果的です。共感することは、こどものわがままを認めることとは違います。気持ちは受け止めつつも、「でもこれはできないよ」と境界線を示すことが大切です。

具体的な共感の言葉として、「おもちゃが欲しかったんだね。でも今は買えないよ」「自分でやりたかったのにできなくて悔しかったね」「お母さんが手伝おうとしたから怒っちゃったんだね」といった具合に、こどもの感情を言語化してあげます。こどもは自分の複雑な感情を言葉にする力がまだ未熟なため、親が代わりに言語化することで、感情を理解し、整理する力が育ちます。

抱きしめることも強力な対応法です。言葉での共感に加えて、優しく抱きしめる、背中をさする、手を握るといったスキンシップは、こどもに安心感を与え、興奮状態を鎮める効果があります。「大丈夫、大丈夫」と繰り返しながらリズミカルに背中をトントンすることで、こどもの呼吸が整い、心拍数が落ち着いてきます。

気をそらすテクニックは、特に癇癪の初期段階で有効です。「あ、窓の外に何かいるよ」「お気に入りの絵本を読もうか」「おやつの時間だよ」といった具合に、こどもの注意を別のものに向けることで、癇癪のきっかけとなった出来事から気持ちを切り替えさせます。ただし、気をそらす方法は癇癪が本格化してからでは効果が薄いため、こどもが怒り始めた瞬間や、癇癪の兆候が見えた時点で使うことがポイントです。

環境を変える方法も効果的です。家の中で癇癪を起こしている場合は外に出る、外で起こしている場合は静かな場所に移動するといった環境の変化が、気持ちの切り替えを促します。「お外の空気を吸いに行こうか」「ちょっとベランダに出てみよう」といった誘い方で、自然に場所を変えることができます。

選択肢を提示する方法も、こどもの自己決定欲求を満たします。「お菓子は今は食べられないけど、リンゴとバナナならどっちがいい?」「この服は洗濯中だから着られないけど、赤い服と青い服、どっちにする?」といった具合に、元の要求は通せないが、代替案を選ばせることで、「全部ダメ」という絶望感が軽減されます。

タイムアウト法の正しい使い方も知っておくべきです。タイムアウト法とは、こどもが不適切な行動を取った時に、一定時間、刺激の少ない場所で過ごさせる方法です。ただし、これは「罰」ではなく、「落ち着くための時間」として使うことが重要です。「今は興奮しているから、少し落ち着こうね」と伝え、安全な場所(部屋の隅、廊下など)で1〜3分程度過ごさせます。年齢×1分が目安とされています(2歳なら2分、3歳なら3分)。

タイムアウトの注意点として、長時間にしないこと、暗い場所や怖い場所を使わないこと、こどもを完全に一人にしないこと(見守りは続ける)が重要です。また、タイムアウト後は、「落ち着けたね」と褒め、なぜタイムアウトになったのかを簡潔に説明し、抱きしめて関係を修復します。

言葉での説明と理解を促す方法は、3歳以上のある程度言語理解が進んだこどもに有効です。「今は○○の時間だから、△△は後でね」「危ないから今はダメだけど、安全な場所でなら良いよ」といった具合に、なぜダメなのか、いつなら良いのかを簡潔に説明します。ただし、癇癪の最中は言葉が入らないため、落ち着いてから説明することが重要です。

予防的なアプローチも長期的には最も効果的です。癇癪が起こりやすい状況(疲れている時、空腹の時、予定の変更があった時など)を把握し、事前に対策を立てます。疲れる前に休憩を入れる、空腹になる前に軽食を用意する、予定変更がある時は事前に説明しておくといった工夫で、癇癪そのものの頻度を減らすことができます。

ポジティブな行動を強化することも重要です。癇癪を起こさずに要求を伝えられた時、我慢できた時、落ち着いて対応できた時には、大いに褒めます。「ちゃんと『貸して』って言えたね!」「待てたね、すごい!」といった具体的な褒め言葉が、適切な行動を増やしていきます。

状況に応じた柔軟な対応が最も重要です。同じこどもでも、日によって、状況によって、効果的な方法は異なります。今日は共感が良かったけれど、明日は気をそらすのが効果的かもしれません。一つの方法にこだわらず、その時々のこどもの状態を見ながら、最適な対応を選択する柔軟性が大切です。

親自身の状態も考慮に入れます。親がイライラしている時、疲れている時は、通常なら冷静に対応できることでも難しくなります。そのような時は、無理をせず、パートナーや家族に頼ることも大切です。「今日はママ疲れているから、パパお願い」と素直に言えることも、良い対応法の一つです。

このように、無視以外にも多様で効果的な対応法があり、それらを状況に応じて使い分けることが、イヤイヤ期を上手に乗り越える鍵となります。

そして、どの対応法を選ぶにしても、長期的な親子関係を見据えた関わり方が重要です。

長期的に良好な親子関係を築くために

長期的に良好な親子関係を築くには、一貫した愛情表現、こどもの自己肯定感を育てる関わり、親自身の感情コントロールが不可欠です。

一貫した愛情表現の重要性は、いくら強調してもしすぎることはありません。どんなに癇癪を起こしても、どんなに困らせても、「あなたのことを愛している」というメッセージを伝え続けることが、こどもの心の安定につながります。「○○ちゃんは大好きだよ」「お母さんはいつもあなたの味方だよ」といった言葉を、日常的に伝えます。叱った後も、「今のはダメだけど、○○ちゃん自身は大好きだよ」と、行動と人格を分けて伝えることが大切です。

無条件の愛を示すことが基盤です。「良い子にしている時だけ愛する」のではなく、「どんな時でもあなたを愛している」というメッセージを伝えることで、こどもは安心して自分を表現できるようになります。癇癪を起こしても、わがままを言っても、「それでもあなたは大切」と伝え続けることが、将来の自己肯定感の土台となります。

こどもの自己肯定感を育てる関わりとして、小さな成功を認めることが効果的です。「自分で靴を履けたね」「お片付けできたね」「優しい言葉が使えたね」といった小さなことでも、具体的に褒めます。比較ではなく、その子自身の成長を認めることが重要です。「○○ちゃんは前よりできるようになったね」という声かけが、こどもの自信を育てます。

失敗を受け入れる雰囲気作りも大切です。「失敗しても大丈夫」「間違えても良いんだよ」というメッセージを伝えることで、こどもは挑戦する勇気を持てます。失敗した時に叱るのではなく、「次はどうしようか一緒に考えよう」と建設的な姿勢を示すことが、レジリエンス(回復力)を育てます。

親自身の感情コントロールも重要な要素です。親が常にイライラしていたり、感情的に怒鳴ったりしていると、こどもも感情のコントロールを学べません。親が冷静に対応する姿を見せることで、こどもも「困った時は落ち着いて対応すれば良いんだ」と学びます。深呼吸、短い休憩、セルフケアなど、親自身のストレス管理も、良好な親子関係のために不可欠です。

自分の感情を適切に表現する姿勢も大切です。「お母さん今イライラしているから、少し落ち着くね」「お母さんも疲れているから、後で遊ぼうね」と、自分の感情を適切に言葉にして伝えることで、こどもも感情表現を学びます。感情を隠すのではなく、適切に表現し、適切に対処する姿を見せることが、こどもの手本となります。

夫婦の協力体制も親子関係に影響します。両親が協力し、一貫した姿勢でこどもに接することで、こどもは安定感を得ます。また、夫婦がお互いを尊重し合う姿を見せることで、こどもは人間関係の良いモデルを学びます。

専門家への相談が必要な場合も知っておくべきです。以下のような状況が見られる場合は、小児科医、臨床心理士、保健師などの専門家に相談することを検討します:癇癪が1日に何度も繰り返され、数ヶ月改善しない;癇癪が1時間以上続くことが頻繁にある;自傷行為や他害行為が見られる;日常生活に大きな支障をきたしている;4歳を過ぎても激しい癇癪が続く;親が精神的・身体的に限界を感じている;他の発達面でも気になることがある。

専門家への相談は恥ずかしいことではありません。むしろ、こどものために最善を尽くそうとする責任ある行動です。早めに相談することで、より適切な対応方法を学べたり、隠れた問題を発見できたりすることもあります。

長期的な視点を持つことも重要です。イヤイヤ期は確かに大変ですが、一時的なものです。多くの場合、3〜4歳頃には落ち着いてきます。「今は大変だけど、これも成長の過程」「この経験が将来の糧になる」と長期的に捉えることで、日々の困難にも前向きに向き合えます。

記録をつけることで成長を実感できます。大変な日々の中でも、「先月よりは癇癪の回数が減った」「前よりも早く落ち着くようになった」といった小さな進歩を記録することで、確実に成長していることを実感できます。この実感が、親の励みになります。

完璧を求めないことも大切です。どんな親でも、時には感情的になったり、適切な対応ができなかったりすることがあります。完璧な親であろうとするよりも、失敗しても修復し、学び、成長していく姿勢が重要です。「今日は怒鳴ってしまったけど、明日はもっと冷静に対応しよう」と前向きに考えることが大切です。

自分を責めすぎないことも重要です。イヤイヤ期は誰にとっても大変な時期であり、うまくいかない日があっても当然です。「自分はダメな親だ」と責めるのではなく、「みんな通る道だから」「頑張っている自分を認めよう」と自分に優しくすることが、長期的な子育ての持続可能性につながります。

コミュニティのサポートを活用することも大切です。同じような経験をしている親同士で話すことで、孤独感が軽減され、具体的なアドバイスを得られます。子育てサークル、オンラインコミュニティ、保育園の保護者会など、様々な場で支え合いのネットワークを築くことが、心の支えになります。

将来への希望を持つことで、今の困難も乗り越えられます。イヤイヤ期を経験したこどもは、感情表現が豊かになり、自己主張ができる子に育ちます。また、この時期を親子で乗り越えることで、より深い信頼関係が築かれます。今は大変でも、「この経験が将来につながる」と信じることが大切です。

このように、長期的に良好な親子関係を築くには、一貫した愛情、適切な関わり、親自身のケア、そして必要に応じた専門家の助けが重要です。無視という短絡的な対応ではなく、こどもの心に寄り添い、成長を信じ、長期的な視点で関わることが、結果的に親子双方にとって最善の結果をもたらします。イヤイヤ期は確かに大変な時期ですが、適切な対応と理解があれば、必ず乗り越えられます。そして、乗り越えた先には、より深い絆で結ばれた親子関係が待っているのです。

監修

代表理事
佐々木知香

略歴

2017年 本田右志理事長より右脳記憶教育講座を指南、「JUNKK認定マスター講師」取得
2018年 幼児教室アップルキッズをリビングサロンとして開講
2020年 佐々木進学教室Tokiwaみらい内へ移転、「佐々木進学教室幼児部」として再スタート
2025年 一般社団法人 日本右脳記憶教育協会(JUNKK)代表理事に就任
塾講師として中高生の学習指導に長年携わる中で、幼児期・小学校期の「学びの土台づくり」の重要性を痛感。
結婚を機に地方へ移住後、教育情報や環境の地域間格差を実感し、「地域に根差した実践の場をつくりたい」との想いから、幼児教室アップルキッズを開校。
発達障害や不登校の支援、放課後等デイサービスでの指導、子ども食堂での学習支援など、多様な子どもたちに寄り添う教育活動を展開中。