夜泣きが急に始まる原因は?月齢別の理由と今すぐできる対処法について

夜泣き

今まで夜通し寝ていたのに、こどもの夜泣きが急に始まるようになって戸惑っていませんか。

順調だと思っていた睡眠リズムが突然崩れると、何が原因なのか不安になるものです。

実は夜泣きが急に始まるのは、脳の発達や生活の変化、体調の変化など様々な要因が関係しています。

このような場合には必ず理由があり、適切に対処することで落ち着かせることができます。

この記事では急に始まる夜泣きの原因を月齢別に整理し、具体的な対処法から注意すべき体調不良のサインまで詳しく解説します。

夜泣きが急に始まるのはなぜ?主な原因は?

夜泣きが急に始まるのは、脳の発達によって睡眠サイクルが変化する時期や環境の変化によるストレス、歯の生え始めや体調不良といった身体的な変化が主な原因です。

こどもの成長は常に変化の連続であり、その過程で睡眠パターンが変わることは珍しくありません。昨日まで問題なく寝ていたのに急に夜泣きが始まると驚きますが、多くの場合は発達の過程で起こる自然な現象です。

脳の発達による睡眠サイクルの変化

赤ちゃんの脳は生後数ヶ月の間に急速に発達します。この発達に伴い、睡眠のサイクルも変化していきます。新生児期は浅い眠りと深い眠りの区別が曖昧ですが、生後3〜4ヶ月頃から大人に近い睡眠サイクルが確立され始めます。

この移行期には、深い眠りから浅い眠りに切り替わる瞬間に目が覚めやすくなります。大人なら自然に寝返りを打って再び眠りにつけますが、赤ちゃんはまだその方法が分からず、目が覚めると泣いてしまうのです。

また脳が活発に発達している時期は、日中に受けた刺激を睡眠中に処理しています。新しい体験や学習が多い日は、脳が興奮状態になりやすく、夜中に何度も目が覚めることがあります。ハイハイを始めた、つかまり立ちができるようになったなど、大きな発達の節目には特に夜泣きが増える傾向があります。

さらに記憶力が発達してくると、分離不安も生まれます。「ママがいなくなった」という認識が芽生えることで、夜中に目覚めた時に一人でいることに不安を感じ、泣いて呼ぶようになるのです。

環境や生活の変化によるストレス

こどもは大人が思っている以上に環境の変化に敏感です。引っ越しや保育園の入園、きょうだいの誕生、親の職場復帰など、生活環境が変わると、その不安が夜泣きとして表れることがあります。

特に保育園に通い始めた直後は、新しい環境への適応でストレスを感じています。日中は頑張って過ごしていても、夜になると緊張がほぐれて不安が表面化し、夜泣きという形で現れるのです。

家族の雰囲気の変化も影響します。親がイライラしていたり、家庭内に緊張があったりすると、こどもはそれを敏感に察知します。直接関係ない出来事でも、親の感情を通じてこどもに伝わり、夜泣きの原因になることがあります。

旅行や帰省で普段と違う場所で寝るのも、夜泣きのきっかけになります。いつもと違う部屋、違う音、違う匂いなど、環境の変化がこどもの安心感を損ない、夜中に目覚めやすくなるのです。

体調不良や成長の過程

身体的な変化も夜泣きの大きな原因です。最も多いのが歯の生え始めです。歯茎がむず痒く、時には痛みも伴うため、夜中に目が覚めて泣いてしまいます。生後6ヶ月頃から始まり、2歳頃まで断続的に続きます。

風邪の引き始めも夜泣きが急に始まる原因です。日中は症状が軽くても、夜になると鼻が詰まりやすくなったり、咳が出やすくなったりします。本格的な発熱や鼻水が出る前の段階で、夜泣きとして症状が現れることもあります。

中耳炎や便秘など、痛みを伴う症状も夜泣きを引き起こします。日中は遊びに気を取られて気にならなくても、夜静かになると痛みに意識が向き、泣き出してしまうのです。

成長痛も考えられます。1歳半以降、特に活発に動くようになると、夜間に足や膝が痛むことがあります。成長に伴う骨や筋肉の発達による一時的な痛みで、深刻なものではありませんが、こどもにとっては不快で泣いてしまいます。

脳の発達による睡眠サイクルの変化、環境や生活の変化によるストレス、歯の生え始めや体調不良などの身体的変化が、夜泣きを急に始まらせる主な原因です。

こうした原因は月齢や年齢によって異なる特徴があるため、次にそれぞれの時期別に詳しく見ていきましょう。

月齢・年齢別に見る急な夜泣きの特徴

生後3〜4ヶ月は睡眠リズムの確立期で浅い眠りが増え、6〜8ヶ月は分離不安や歯の生え始めで夜泣きが急に始まり、1歳以降は言葉の発達やトイレトレーニングなど各時期特有の要因で夜泣きが起こります。

月齢や年齢によって、こどもの発達段階は大きく異なります。それぞれの時期に特徴的な夜泣きのパターンを理解することで、適切な対処がしやすくなります。

生後3〜4ヶ月頃の急な夜泣き

生後3〜4ヶ月は「睡眠退行」と呼ばれる時期です。それまで比較的よく寝ていた赤ちゃんが、突然頻繁に夜中に目覚めるようになります。これは脳の発達によって睡眠サイクルが変化しているサインです。

新生児期の睡眠は浅い眠りと深い眠りの区別が曖昧でしたが、この時期から大人に近い睡眠サイクルが確立され始めます。約90分ごとに浅い眠りの時間が訪れるようになり、その瞬間に目が覚めやすくなるのです。

また首がすわり始め、寝返りの練習を始める時期でもあります。身体の動かし方を学習している最中で、夜中に寝返りを打とうとして目が覚めたり、うつ伏せになって戻れなくなって泣いたりします。

視力も発達してきて、周囲への興味が増す時期です。日中に受ける刺激が増えることで、脳が活発に働き、その情報処理のために睡眠中に目が覚めやすくなります。

この時期の夜泣きは、一時的なものがほとんどです。睡眠サイクルに慣れてくれば、1〜2ヶ月で落ち着くことが多いため、焦らず対応することが大切です。

生後6〜8ヶ月頃の急な夜泣き

生後6〜8ヶ月は、夜泣きが最も激しくなりやすい時期です。この頃には複数の要因が重なることが多く、それまで夜泣きがなかったこどもでも急に始まることがあります。

まず分離不安が芽生える時期です。ママやパパが自分とは別の存在であることを認識し始め、離れることへの不安が強くなります。夜中に目が覚めて親の姿が見えないと、置いていかれたような不安を感じて激しく泣きます。

歯が生え始めるのもこの頃です。下の前歯から生え始め、歯茎がむず痒く、時には痛みも伴います。よだれが増える、機嫌が悪い、何でも口に入れたがるといった日中の様子と合わせて、夜泣きが増えることがあります。

ハイハイやお座りなど、大きな運動発達が起こる時期でもあります。新しい動きを習得する過程で、脳が興奮状態になりやすく、夜中に突然泣き出すことがあります。

離乳食が本格的に始まる時期でもあり、食事内容の変化が消化器系に影響を与えることもあります。お腹が張ったり、便秘気味になったりして、夜中に不快感で目が覚めるケースもあります。

1歳以降の急な夜泣き

1歳を過ぎると夜泣きは落ち着く傾向にありますが、それでも急に始まることがあります。この時期の夜泣きは、より複雑な心理的・社会的要因が関わっていることが多いです。

言葉の発達が急速に進む時期で、「伝えたいのに伝えられない」というもどかしさがストレスになります。日中のコミュニケーションの葛藤が、夜泣きという形で現れることがあります。

保育園や幼稚園での集団生活が始まると、環境の変化による不安が夜泣きにつながります。特に入園直後の数週間から数ヶ月は、適応のストレスで夜泣きが急に始まることがあります。

トイレトレーニングを始める時期でもあり、おむつが濡れている不快感や、トイレに行きたい感覚で目が覚めることもあります。またトイレトレーニング自体がプレッシャーになり、夜泣きの原因になることもあります。

想像力が発達してくると、暗闇への恐怖や怖い夢を見ることも増えます。「お化けが怖い」「暗いのが嫌」といった理由で夜中に泣くようになることもあります。

きょうだいが生まれた場合も、嫉妬や不安から赤ちゃん返りとして夜泣きが始まることがあります。親の注意を引きたい、愛情を確認したいという気持ちの表れです。

月齢や年齢ごとに夜泣きが急に始まる理由は異なり、睡眠リズムの確立期、分離不安期、社会性の発達期など、それぞれの成長段階に特有の要因があります。

こうした原因を理解した上で、具体的にどう対処すればよいかを次に見ていきましょう。

急に始まった夜泣きへの具体的な対処法

急に始まった夜泣きには焦らず考えられる原因を探り、抱っこや優しい声かけで安心感を与え、日中の生活リズムを整えることで徐々に落ち着かせられます。

夜泣きが急に始まると、親も戸惑い不安になりますが、冷静に対応することが大切です。原因を探りながら、こどもに寄り添う姿勢を持ちましょう。

まずは原因を探る

夜泣きが始まったら、まず考えられる原因をチェックします。おむつが濡れていないか、暑すぎたり寒すぎたりしていないか、空腹ではないか、といった基本的な不快要因を確認しましょう。

最近の生活で変化がなかったか振り返ることも重要です。引っ越し、保育園の開始、旅行、きょうだいの誕生など、環境の変化があれば、それが原因かもしれません。数日前から数週間前の出来事まで思い出してみましょう。

身体の状態も確認します。歯茎が腫れていないか、熱はないか、耳を触っていないか、お腹が張っていないかなど、体調不良のサインがないかチェックします。よだれが増えている、日中に機嫌が悪いといった様子があれば、歯の生え始めの可能性があります。

日中の様子も観察します。新しいことができるようになったり、急に人見知りが激しくなったりと、発達の節目を迎えている可能性もあります。運動発達や認知発達の大きな変化の時期は、夜泣きが増えやすいのです。

原因が特定できない場合も多いですが、いくつかの可能性を考えることで、適切な対応の糸口が見つかります。

安心感を与える接し方

夜泣きをしているこどもにとって最も必要なのは、安心感です。泣いている時は抱っこをして、優しく「大丈夫だよ」「ここにいるよ」と声をかけてあげましょう。

抱っこの仕方も工夫します。縦抱きで背中をトントンとリズミカルにたたく、ゆっくりと左右に揺らす、部屋の中を歩き回るなど、こどもが落ち着く方法を見つけましょう。添い寝をしながら背中をさすったり、手を握ったりするのも効果的です。

声のトーンも大切です。焦りや不安が声に出ると、こどもにも伝わってしまいます。深呼吸をして、落ち着いた低めの声で話しかけることを心がけます。子守唄を歌ったり、「大丈夫、大丈夫」と繰り返し言ったりするのもよいでしょう。

いつものぬいぐるみやタオルなど、安心できるものを持たせるのも有効です。日中から愛着のあるものを決めておき、寝る時はそれを側に置く習慣をつけると、夜中に目覚めた時の安心材料になります。

授乳やミルクで落ち着くなら、与えてもかまいません。「夜中の授乳は癖になる」と心配する声もありますが、急に夜泣きが始まった時期は、まず落ち着かせることを優先しましょう。落ち着いてきたら徐々に減らしていけば問題ありません。

すぐに泣き止まなくても焦らないことが大切です。抱っこしながら「泣いてもいいよ」と受け止める気持ちでいると、親の余裕がこどもにも伝わり、次第に落ち着いていきます。

生活リズムを見直す

夜泣きが続く場合は、日中の生活リズムを見直すことも重要です。毎日同じ時間に起き、同じ時間に寝るという基本的なリズムを整えましょう。

朝は7時前後には起こし、カーテンを開けて日光を浴びさせます。体内時計がリセットされ、夜の睡眠の質が高まります。休日も平日と同じ時間に起こすことで、リズムが乱れにくくなります。

日中は月齢に応じた活動をさせます。外遊びや散歩で適度に体を動かし、心地よい疲労感を感じさせましょう。ただし夕方以降の激しい遊びは避け、徐々にクールダウンしていきます。

昼寝の時間も調整します。遅い時間の昼寝や長すぎる昼寝は、夜の睡眠に影響します。15時以降は昼寝をさせない、昼寝は1〜2時間以内にするなど、夜の睡眠を優先したスケジュールを組みましょう。

寝る前のルーティンも大切です。お風呂、パジャマへの着替え、絵本の読み聞かせなど、毎日同じ流れを作ることで、「これから寝る時間だ」という認識が生まれます。30分〜1時間程度の落ち着いた時間を確保しましょう。

原因を探り、安心感を与え、生活リズムを整えるという基本的な対応を続けることで、急に始まった夜泣きも徐々に落ち着いていきます。

ただし夜泣きの中には、体調不良のサインとして現れているケースもあるため、注意が必要です。

急な夜泣きが体調不良のサインである可能性

急な夜泣きに発熱や異常な不機嫌、耳を触る仕草などが伴う場合は風邪や中耳炎などの体調不良の可能性があり、呼吸困難やぐったりした様子が見られれば早急に医療機関を受診する必要があります。

夜泣きの多くは成長の過程で起こる自然な現象ですが、中には病気や体調不良のサインとして現れることもあります。見逃さないためのポイントを押さえておきましょう。

発熱や風邪の初期症状

風邪の引き始めは、本格的な症状が出る前に夜泣きとして現れることがあります。日中は元気でも、夜になると鼻が詰まりやすくなり、呼吸が苦しくて泣いてしまうのです。

熱を測ってみて、37.5度以上あれば発熱の可能性があります。ただし測定直後や厚着をしている場合は体温が高めに出るため、少し時間をおいて再度測定しましょう。

鼻水や咳が出ていないか確認します。透明でサラサラした鼻水は風邪の初期症状です。また寝ている間にコンコンと咳をしている、鼻をすすっている音がするなども、風邪のサインです。

日中の機嫌や食欲もチェックポイントです。いつもより機嫌が悪い、遊びに興味を示さない、食欲が落ちているなどの様子があれば、体調を崩している可能性が高いです。

くしゃみが増えたり、目やにが出たりするのも風邪の症状です。また普段より眠る時間が長い、ぐったりして元気がないといった様子も注意が必要です。

中耳炎や便秘など痛みを伴う症状

耳を頻繁に触ったり、頭を振ったりする仕草が見られる場合は、中耳炎の可能性があります。風邪をひいた後に起こりやすく、耳の痛みで夜中に目が覚めて泣くのです。

中耳炎は発熱を伴うこともあれば、熱がないこともあります。耳だれが出ていないか、耳の周りを触ると嫌がらないか確認しましょう。中耳炎は放置すると難聴につながる可能性もあるため、疑わしい場合は早めに耳鼻科を受診してください。

便秘もこどもにとっては辛い症状です。数日間排便がない、お腹が張っている、食欲がないといった様子があれば、便秘による不快感で夜泣きをしている可能性があります。綿棒浣腸や、水分摂取の増加、食物繊維の多い食事などで対応しましょう。

歯の生え始めも痛みを伴います。歯茎が赤く腫れている、よだれが急に増えた、何でも噛みたがるといった様子があれば、歯の生え始めによる不快感が夜泣きの原因かもしれません。冷やしたおしゃぶりや歯固めを使うと、痛みが和らぐことがあります。

成長痛も見逃せません。1歳半以降、特に日中活発に動いた日の夜に、足や膝が痛むことがあります。「痛い」と訴えられない年齢では、夜中に泣いてしか伝えられません。マッサージをしたり、温めたりすると楽になることがあります。

受診が必要な危険なサイン

以下のような症状が見られる場合は、夜間でも医療機関を受診するか、救急車を呼ぶ必要があります。

呼吸の異常は最も注意すべきサインです。息が荒く肩で息をしている、呼吸のたびに胸が大きくへこむ、ゼーゼーという音がする、顔色や唇が青白いなどの症状は緊急事態です。

けいれんを起こした場合もすぐに対応が必要です。手足がガクガクと震える、目が上を向いて白目になる、意識がないといった症状が見られたら、すぐに救急車を呼びましょう。

ぐったりして反応が鈍い、呼びかけても目を開けない、異常に眠り続けるといった意識レベルの低下も危険です。いつもと明らかに様子が違う場合は、迷わず受診してください。

生後3ヶ月未満の赤ちゃんで38度以上の発熱がある場合も、すぐに受診が必要です。この月齢では免疫力が弱く、細菌感染症のリスクが高いためです。

激しい嘔吐や下痢を繰り返している、半日以上水分を受け付けずおしっこが出ていないといった脱水のサインも要注意です。唇が乾いてひび割れる、泣いても涙が出ないなどの症状が現れます。

異常に激しい泣き方が何時間も続く、どうやっても泣き止まないといった場合も、何か問題がある可能性があります。判断に迷う場合は、小児救急電話相談(#8000)に相談しましょう。

急な夜泣きに発熱や痛み、呼吸困難などの症状が伴う場合は体調不良のサインであり、特に危険なサインが見られたら早急な受診が必要です。

体調不良以外の理由で夜泣きが起こっている場合は、日常的な生活習慣を整えることで予防につながります。

急な夜泣きを防ぐための生活習慣

毎日同じ時間に起床・就寝するリズムを守り、日中は適度に体を動かして刺激を与え、寝る前の入眠環境を一定に保つことで、急な夜泣きが起こるリスクを減らせます。

夜泣きを完全に防ぐことは難しくても、生活習慣を整えることで起こりにくくすることは可能です。日々の積み重ねが、安定した睡眠につながります。

規則正しい生活リズムの確立

体内時計を整えることが、安定した睡眠の基本です。毎日同じ時間に起き、同じ時間に寝ることで、自然と眠くなる時間が定まってきます。

起床時刻は7時前後を目安にし、休日も平日と同じ時間に起こしましょう。遅く寝た日でも起床時刻は変えないことで、リズムが崩れにくくなります。起きたらすぐにカーテンを開け、日光を浴びさせることで体内時計がリセットされます。

就寝時刻も一定にします。1〜2歳なら20〜21時、3〜5歳なら20〜21時半頃が目安です。「まだ眠くなさそう」と思っても、決まった時間に布団に入る習慣をつけることが大切です。

食事の時間も規則的にします。朝・昼・夕の食事時間を毎日同じにすることで、生活リズム全体が整います。特に夕食は寝る2時間前までに済ませ、胃に負担をかけない状態で眠りにつけるようにしましょう。

昼寝の時間とタイミングも重要です。1〜2歳なら午後1〜3時頃に1〜2時間、3歳以降は午後早めに1時間程度が目安です。15時以降の昼寝は避け、夜の睡眠を優先します。

日中の適度な刺激と活動

日中に適度な活動をすることで、心地よい疲労感が生まれ、夜よく眠れるようになります。外遊びや散歩で体を動かし、太陽の光を浴びることが理想的です。

月齢に応じた運動をさせましょう。ハイハイの時期ならたくさんハイハイさせる、歩けるようになったら公園で走り回らせる、ボール遊びや三輪車など、体を使った遊びを取り入れます。

ただし疲れすぎは逆効果です。活動しすぎて興奮状態になると、かえって寝つきが悪くなります。こどもの様子を見ながら、適度な活動量を心がけましょう。

夕方以降は徐々に活動レベルを落としていきます。16時以降は激しい遊びを避け、お絵描きや絵本など、静かな遊びに切り替えます。この緩やかな移行が、スムーズな入眠につながります。

新しい体験や学びも大切ですが、刺激が強すぎると夜泣きの原因になることがあります。大きなイベントの後は、翌日は静かに過ごすなど、バランスを取りましょう。

入眠環境の安定

寝る環境を一定に保つことも、夜泣き予防に重要です。毎日同じ場所で、同じ条件で寝る習慣をつけましょう。

寝る前のルーティンを確立します。お風呂に入る、パジャマに着替える、歯を磨く、絵本を読む、子守唄を歌うなど、毎日同じ順序で行います。30分〜1時間程度のルーティンで、「これから寝る時間だ」という認識が生まれます。

部屋の環境も整えます。照明は暗めにし、寝る1時間前からはテレビやスマートフォンなどの強い光を避けます。ブルーライトは覚醒を促すため、寝室に電子機器は持ち込まないようにしましょう。

室温は20〜22度、湿度は50〜60%を目安に調整します。暑すぎても寒すぎても睡眠の質は下がるため、季節に応じて適切な環境を保ちます。

音の環境も見直します。完全な静寂よりも、ホワイトノイズや小川のせせらぎなど一定のリズムの音があった方が落ち着くこどももいます。逆に突発的な音は避けたいので、家族も静かに過ごすよう心がけます。

安心できるアイテムを決めておくのも効果的です。お気に入りのぬいぐるみやタオルを寝る時の相棒にすることで、夜中に目覚めた時も安心材料になります。

規則正しい生活リズム、適度な日中活動、安定した入眠環境という3つの柱を整えることで、急な夜泣きのリスクを大きく減らせます。それでも夜泣きが始まってしまった時は、焦らずこどもに寄り添いながら、原因を探り対処していきましょう。夜泣きは必ず落ち着く時期が来ます。今は無理をせず、できる範囲でこどもと向き合っていってください。

監修

代表理事
佐々木知香

略歴

2017年 本田右志理事長より右脳記憶教育講座を指南、「JUNKK認定マスター講師」取得
2018年 幼児教室アップルキッズをリビングサロンとして開講
2020年 佐々木進学教室Tokiwaみらい内へ移転、「佐々木進学教室幼児部」として再スタート
2025年 一般社団法人 日本右脳記憶教育協会(JUNKK)代表理事に就任
塾講師として中高生の学習指導に長年携わる中で、幼児期・小学校期の「学びの土台づくり」の重要性を痛感。
結婚を機に地方へ移住後、教育情報や環境の地域間格差を実感し、「地域に根差した実践の場をつくりたい」との想いから、幼児教室アップルキッズを開校。
発達障害や不登校の支援、放課後等デイサービスでの指導、子ども食堂での学習支援など、多様な子どもたちに寄り添う教育活動を展開中。