赤ちゃんの寝かしつけはいつから始めれば良いのか、迷っていませんか。
新生児の頃はそのような概念はなく、授乳後にそのまま眠ることが多いものです。
しかし成長とともに、いつから本格的な寝かせてあげることが必要になるのか、多くの親御さんが疑問に感じています。
また、月齢やそれぞれの発達段階に合わせた方法があります。
この記事では、寝かしつけをいつから始めるべきか、月齢別の具体的な方法を詳しくご紹介します。
寝かしつけが必要になるのはいつから?
寝かしつけは生後2~3ヶ月頃から意識し始め、生後4~6ヶ月で本格的に開始するのが一般的で、新生児期は授乳とおむつ替えで自然に眠るため特別な寝かしつけは必要ありません。
寝かしつけの必要性は、赤ちゃんの睡眠リズムの発達と深く関係しています。月齢ごとに見ていきましょう。
新生児期(生後0~1ヶ月)の睡眠
新生児期は、まだ昼夜の区別がついていない時期です。一日の大半を寝て過ごし、2~3時間おきに起きては授乳を繰り返します。この時期の睡眠時間は一日16~20時間にも及びます。
新生児は授乳後にそのまま眠りに落ちることが多く、特別な寝かしつけは必要ありません。お腹が満たされ、おむつが清潔であれば、自然と眠ってしまいます。抱っこしているうちに眠ってしまうことも多いでしょう。
この時期に大切なのは、寝かしつけというよりも、赤ちゃんのリズムに合わせて授乳とおむつ替えを行うことです。泣いたら対応し、お腹がいっぱいになったら寝かせるという基本的なケアが中心となります。
ただし、この時期から「寝る場所」を意識することは有効です。リビングで遊ぶ時間と、寝室で眠る時間を分けることで、徐々に場所と行動の結びつきが作られていきます。
生後2~3ヶ月から寝かしつけを意識し始める
生後2~3ヶ月になると、少しずつ昼夜の区別がつき始めます。夜にまとまって眠る時間が長くなり、昼間は起きている時間が増えてきます。この頃から、寝かしつけを意識し始める時期です。
この時期の睡眠時間は一日14~17時間程度になります。夜間に5~6時間連続で眠れるようになる赤ちゃんも出てきますが、まだ個人差が大きい時期です。
寝かしつけといっても、本格的なものではなく、「寝る時間」を意識させることから始めます。毎日同じ時刻にお風呂に入れ、同じ時刻に寝室に連れて行くことで、赤ちゃんは徐々にパターンを理解していきます。
抱っこや授乳での寝かしつけが中心ですが、部屋を暗くしたり、静かな環境を作ったりすることで、「これから寝る時間」というサインを送ることができます。この時期から入眠ルーティンの基礎を作っておくと、後の寝かしつけがスムーズになります。
生後4~6ヶ月で本格的な寝かしつけを開始
生後4~6ヶ月は、本格的な寝かしつけを始めるのに最適な時期です。昼夜のリズムがしっかりしてきて、生活リズムが整いやすくなります。
この時期の睡眠時間は一日12~16時間程度で、夜間に10~12時間、昼寝で2~4時間が目安です。夜間授乳の回数も減り、夜通し眠れるようになる赤ちゃんも増えてきます。
体内時計が発達してくるため、毎日同じ時刻に寝起きする習慣をつけやすい時期でもあります。就寝時刻を決め、その1時間前から入眠ルーティンを始めましょう。「お風呂→着替え→授乳→絵本→寝る」といった一連の流れを毎日繰り返すことで、赤ちゃんは次に何が起こるか予測できるようになります。
この時期から、抱っこや授乳で完全に眠らせるのではなく、眠くなってきたらベッドに置き、トントンしながら寝かせる方法に切り替えていくことができます。セルフねんねへの移行準備を始める時期でもあります。
寝かしつけの必要性が高まるのは生後4~6ヶ月頃からで、この時期に基本的な入眠習慣を確立しておくことが、その後の睡眠の質を左右します。
次に、月齢別の具体的な寝かしつけ開始ポイントについて見ていきましょう。
月齢別の寝かしつけ開始ポイント
月齢によって赤ちゃんの睡眠リズムは大きく変わるため、それぞれの時期に合わせた寝かしつけのアプローチが効果的です。
生後0~3ヶ月の寝かしつけ
生後0~3ヶ月は、寝かしつけというよりも「睡眠の土台作り」の時期です。まだ本格的な寝かしつけは必要ありませんが、将来の良い睡眠習慣のための準備を始めることができます。
この時期のポイントは、昼夜の区別をつけることです。日中は明るい部屋で過ごし、夜は暗く静かな環境で寝かせます。日中の授乳は明るい場所で、夜間の授乳は暗い部屋で行うことで、赤ちゃんは徐々に昼と夜の違いを学んでいきます。
授乳後にそのまま寝かせるのが一般的ですが、できれば完全に眠る前にベッドに置く練習を始めると良いでしょう。うとうとしている状態でベッドに置き、そのまま眠りに落ちるのを見守ります。泣いたらすぐに抱き上げて構いませんが、少しずつこの練習を繰り返すことで、後のセルフねんねへの移行がスムーズになります。
背中のスイッチ(ベッドに置くと目が覚めてしまう現象)に悩まされることも多い時期です。完全に深い眠りに入るまで抱っこし、そっとベッドに置くことで対応しましょう。背中全体を支えるように置き、すぐに手を離さず、少しの間お腹に手を当てたままにすると成功しやすくなります。
寝る場所を一定にすることも大切です。いつも同じ場所で寝かせることで、「この場所は寝る場所」という認識が育ちます。
生後4~6ヶ月の寝かしつけ
生後4~6ヶ月は、本格的な寝かしつけを始める最適な時期です。体内時計が発達し、生活リズムを整えやすくなります。
この時期の重要なポイントは、入眠ルーティンの確立です。毎晩同じ時刻に同じ流れで就寝準備を行うことで、赤ちゃんは「これから寝る時間」と理解するようになります。おすすめのルーティンは「お風呂(19時頃)→マッサージ→授乳→絵本や歌→部屋を暗くして寝る(20時頃)」という流れです。
お風呂は就寝の1時間から1時間半前に入れ、体温が下がるタイミングで眠気が訪れるようにします。お風呂の後は、ベビーマッサージをしながらスキンシップの時間を作ると、赤ちゃんはリラックスして眠りやすくなります。
授乳は寝室に入る前に済ませることを目指しましょう。授乳後に少し遊んだり、絵本を読んだりして、授乳と睡眠を切り離します。授乳しながら眠ってしまう習慣がついてしまうと、後で修正するのが大変になります。
寝室の環境も整えましょう。室温は夏場で26~28度、冬場で18~20度が適温です。暗くて静かな環境が理想ですが、真っ暗が不安な場合は小さな常夜灯をつけても構いません。
この時期から、抱っこで完全に眠らせるのではなく、眠くなってきたらベッドに置き、背中をトントンしながら寝かせる方法に切り替えていきます。最初は泣くこともありますが、根気よく続けることで徐々に慣れていきます。
生後7~12ヶ月の寝かしつけ
生後7~12ヶ月は、セルフねんねへの移行を本格的に進める時期です。体力もついて、昼寝の回数が減り、夜にまとまって眠るようになります。
この時期の昼寝は、生後7~9ヶ月頃は2回(午前と午後)、生後10~12ヶ月頃になると1回(午後のみ)になることが多いでしょう。昼寝のタイミングを整えることで、夜の寝つきが良くなります。
離乳食が進む時期でもあり、食事のリズムも睡眠に影響します。夕食は就寝の2時間前までに済ませ、寝る直前の授乳やおやつは控えめにしましょう。
分離不安が強くなる時期でもあります。親の姿が見えないと泣いてしまうため、寝かしつけに時間がかかることもあるでしょう。安心アイテム(お気に入りのぬいぐるみやタオルケット)を持たせることで、親の代わりに安心感を得られるようになります。
寝る前の絵本タイムが効果的になる時期です。言葉の理解が進むため、優しい内容の絵本を読み聞かせることで、心を落ち着かせて眠りに入りやすくなります。
夜泣きが増えることもありますが、すぐに抱き上げるのではなく、まずは様子を見ましょう。5分ほど待ってから対応することで、赤ちゃんは自分で再入眠する力を育てていきます。
月齢に応じた寝かしつけ方法を取り入れることで、無理なく良い睡眠習慣を育てていくことができます。
次に、セルフねんねをいつから始められるかについて解説します。
セルフねんねはいつから始められる?
セルフねんねは、一般的に生後4~6ヶ月頃から始めることができ、赤ちゃんの発達段階と家庭の方針に合わせて進めることが大切です。
セルフねんねとは、親の助け(抱っこや授乳)なしで、赤ちゃんが一人で眠りにつくことです。夜中に目が覚めても、自分で再び眠りに落ちる力のことも含まれます。
生後4~6ヶ月は、セルフねんねのトレーニングを始めるのに適した時期とされています。この時期になると、体内時計が発達し、夜間授乳の回数も減ってくるため、夜通し眠る準備が整ってきます。ただし、無理に急ぐ必要はなく、赤ちゃんの様子を見ながら進めましょう。
セルフねんねの練習は、まず入眠ルーティンの確立から始めます。毎日同じ流れで就寝準備を行い、赤ちゃんが「次は寝る時間」と予測できるようにします。ルーティンが定着したら、眠くなってきたタイミングで、まだ起きている状態でベッドに置く練習を始めます。
最初は泣くことも多いでしょう。泣いたらすぐに抱き上げるのではなく、まずは声をかけたり背中をさすったりして落ち着かせます。それでも泣き続ける場合は抱っこしますが、眠りに落ちる前にベッドに戻すことを心がけます。
段階的に親の介入を減らしていくことがポイントです。最初は抱っこで寝かしつけ、次は背中トントン、次は横に寝転がっているだけ、最後は部屋を出るという具合に、少しずつ親の助けを減らしていきます。
セルフねんねのトレーニングには、いくつかの方法があります。フェイドアウト法(徐々に親の介入を減らす)、チェック法(一定時間おきに様子を見に行く)などがありますが、どの方法を選ぶかは家庭の方針次第です。
月齢が進むほど、習慣を変えるのが難しくなる傾向があります。1歳を過ぎると、抱っこや授乳での寝かしつけが強く習慣化してしまうため、変更に時間がかかることがあります。早い時期から少しずつ始めることで、スムーズに移行できます。
ただし、セルフねんねは必須ではありません。添い寝や抱っこでの寝かしつけを続ける家庭も多くあります。家族全員が十分な睡眠を取れていれば、方法は自由に選んで構いません。
セルフねんねは生後4~6ヶ月頃から始められますが、赤ちゃんの個性や家庭の状況に合わせて、無理のないペースで進めることが何より大切です。
次に、寝かしつけを始める前に準備すべきことについて見ていきましょう。
寝かしつけを始める前に準備すること
寝かしつけをスムーズに進めるためには、事前の準備が重要で、生活リズムと入眠環境を整えることが成功の鍵となります。
生活リズムを整える
寝かしつけを始める前に、まず生活リズムを整えることが大切です。毎日同じ時刻に起床し、食事や昼寝、就寝の時間を一定にすることで、体内時計が整っていきます。
起床時刻は朝6時半から7時半頃が理想的です。朝起きたらカーテンを開けて朝日を浴びせることで、体内時計がリセットされます。朝日を浴びることで、夜に睡眠を促すメラトニンが分泌されやすくなります。
日中は適度に活動させることも大切です。午前中に外で遊ぶ時間を作り、日光を浴びることで、夜の睡眠が深くなります。月齢に応じて、お散歩やベビーマッサージ、遊びの時間を設けましょう。
昼寝のタイミングも重要です。月齢に応じた昼寝の回数と時間を守り、遅くとも15時までには起こすようにします。昼寝が遅すぎたり長すぎたりすると、夜の寝つきが悪くなります。
食事のリズムも睡眠に影響します。離乳食が始まっている場合は、夕食を就寝の2時間前までに済ませましょう。お腹がいっぱいすぎても空腹でも眠りにくくなるため、適度な量を心がけます。
就寝時刻は生後4ヶ月以降であれば、19時半から20時半の間が目安です。遅くとも21時までには寝かせるようにしましょう。就寝時刻が遅くなると、睡眠の質が下がり、翌朝の目覚めも悪くなります。
休日も平日と同じリズムを保つことが重要です。週末に遅く起きたり夜更かしをしたりすると、せっかく整えたリズムが崩れてしまいます。
入眠の環境を作る
寝かしつけを成功させるには、入眠しやすい環境を整えることが不可欠です。寝室の環境を見直しましょう。
室温は夏場で26~28度、冬場で18~20度が適温です。暑すぎても寒すぎても眠りが浅くなります。湿度は50~60%程度に保ち、特に冬場は加湿器を使って乾燥を防ぎましょう。
照明も重要なポイントです。就寝30分前からは照明を落とし、間接照明に切り替えます。明るい光はメラトニンの分泌を妨げるため、テレビやスマートフォンの画面も避けましょう。寝室は暗くするのが基本ですが、真っ暗が不安な場合は、小さな常夜灯をつけても構いません。
音の環境も整えましょう。静かな環境が理想ですが、完全な無音は逆に物音に敏感になることもあります。ホワイトノイズや静かな音楽を小さく流すのも一案です。外の騒音が気になる場合は、カーテンを厚手のものに変えると防音効果があります。
寝具も睡眠の質に影響します。赤ちゃん用の固めのマットレスを選び、季節に応じた掛け布団を用意しましょう。枕は生後6ヶ月頃までは不要です。シーツは肌触りの良い素材を選び、こまめに洗濯して清潔に保ちます。
安全面も確認しておきましょう。ベッドの周りに危険なものがないか、窒息の危険があるものが近くにないかをチェックします。ぬいぐるみを持たせる場合も、大きすぎないものを選びましょう。
入眠のための香りを取り入れるのも効果的です。ラベンダーやカモミールなど、リラックス効果のあるアロマを使うと、入眠しやすくなります。ただし、赤ちゃんに使う場合は薄めに希釈し、直接肌につかないよう注意しましょう。
生活リズムと入眠環境を整えることで、寝かしつけの土台ができあがり、その後のトレーニングもスムーズに進みます。
最後に、月齢別の寝かしつけ方法の違いについて見ていきましょう。
月齢別の寝かしつけ方法の違い
月齢によって赤ちゃんの発達段階は大きく異なり、それぞれの時期に適した寝かしつけ方法を選ぶことで、無理なく良い睡眠習慣を育てることができます。
生後0~3ヶ月は、授乳や抱っこでの寝かしつけが中心です。この時期は親の助けを必要とする時期で、無理にセルフねんねを目指す必要はありません。授乳後にそのまま眠ることが多く、それで問題ありません。ただし、昼夜の区別をつけることや、寝る場所を一定にすることは意識しましょう。
生後4~6ヶ月は、入眠ルーティンを確立する時期です。毎晩同じ流れで就寝準備を行い、赤ちゃんに「次は寝る時間」というサインを送ります。授乳と睡眠を切り離し始め、眠くなってきたらベッドに置き、トントンしながら寝かせる方法に切り替えていきます。この時期からセルフねんねの練習を始めることもできます。
生後7~9ヶ月は、分離不安が強くなる時期です。親の姿が見えないと泣いてしまうため、寝かしつけには時間がかかることもあります。安心アイテムを持たせたり、入眠ルーティンを徹底したりすることで、徐々に一人で眠れるように導いていきます。この時期は夜泣きも増えることがありますが、すぐに対応せず5分ほど様子を見ることで、自己鎮静の力を育てます。
生後10~12ヶ月(1歳頃)は、セルフねんねがかなり確立してくる時期です。入眠ルーティンがしっかり身についていれば、親が横にいるだけで眠れるようになったり、一人で眠りにつけるようになったりします。ただし、個人差が大きく、まだ抱っこや授乳が必要な赤ちゃんもいます。焦らず、その子のペースに合わせることが大切です。
1歳以降は、生活リズムがより安定し、夜通し眠れるようになる子が増えてきます。言葉の理解も進むため、「ねんねの時間だよ」といった声かけが通じるようになります。絵本の読み聞かせも効果的で、寝る前の習慣として定着させると良いでしょう。一方で、自我が芽生えて寝るのを嫌がることも出てくるため、選択肢を与えたり遊びの要素を取り入れたりする工夫が必要になります。
どの月齢でも共通して大切なのは、一貫性です。寝かしつけの方法を決めたら、毎日同じ方法を続けることで、赤ちゃんは予測ができるようになり、安心して眠れるようになります。家族全員で方針を統一し、協力して取り組むことが成功の鍵です。
また、すべての赤ちゃんが教科書通りに成長するわけではありません。発達には個人差があり、早く一人で眠れるようになる子もいれば、時間がかかる子もいます。他の赤ちゃんと比較せず、我が子のペースを尊重することが何より大切です。
寝かしつけは一朝一夕にはうまくいきません。試行錯誤を繰り返しながら、その子に合った方法を見つけていく過程です。完璧を求めすぎず、できることから少しずつ取り組んでいきましょう。親が笑顔でいられることが、赤ちゃんの安心した睡眠につながります。
監修

略歴
| 2017年 | 本田右志理事長より右脳記憶教育講座を指南、「JUNKK認定マスター講師」取得 |
|---|---|
| 2018年 | 幼児教室アップルキッズをリビングサロンとして開講 |
| 2020年 | 佐々木進学教室Tokiwaみらい内へ移転、「佐々木進学教室幼児部」として再スタート |
| 2025年 | 一般社団法人 日本右脳記憶教育協会(JUNKK)代表理事に就任 |



