寝かしつけがイライラする理由は?気持ちを楽にする対処法について!

寝かしつけ

毎晩の寝かしつけに何時間もかかり、イライラしてしまうことはありませんか。

早く寝てほしいのになかなか寝ない我が子に、優しくしたいのにストレスを感じてしまう自分に罪悪感を感じる保護者は多いでしょう。

寝かしつけでストレスを感じる理由は様々で、時間がかかることや自分の時間がなくなる焦りが主な原因です。

このような気持ちを理解し、具体的な対処法を知ることで、少しでも楽に時間が過ごせるようになります。

この記事では、寝かしつけでイライラする理由と、気持ちを楽にする対処法について詳しく解説します。

寝かしつけでイライラする理由は?

寝かしつけでイライラする理由は、時間がかかることへのストレスと、自分の時間が奪われる焦りが主な原因です。

寝かしつけは、多くの保護者にとって一日の中で最もストレスを感じる時間のひとつです。愛しいはずの我が子に対してイライラしてしまうことに、罪悪感を感じる保護者も多いでしょう。しかし、イライラは決して保護者の性格が悪いからではなく、状況が引き起こす自然な感情反応です。寝かしつけでイライラする理由を理解することで、自分を責める気持ちを軽減できます。

時間がかかるストレス

寝かしつけでイライラする最も大きな理由は、予想以上に時間がかかることです。

30分で寝るだろうと思っていたのに1時間経っても寝ない、やっと寝たと思って離れると起きてしまい振り出しに戻る、こうした状況が毎晩続くと、大きなストレスになります。時間の見通しが立たないことは、人間にとって非常に不安を引き起こす要因です。「いつまで続くのか」という先の見えない状態が、イライラを増幅させます。

こどもが何度も起き上がる、遊び始める、話しかけてくるなど、寝る気配を見せないことも大きなストレスです。布団に入れても立ち上がる、おもちゃで遊び始める、「お水飲みたい」「トイレ行きたい」と次々に要求するなど、寝る体制に入らないこどもに対して、焦りとイライラが募ります。

同じことを何度も繰り返すことへの疲労感もあります。「静かに寝てね」と何度言っても聞かない、布団に入れても出てくるを繰り返す、こうした同じことの繰り返しは、精神的な消耗を引き起こします。毎日同じパターンが続くことで、寝かしつけの時間が近づくだけで憂鬱になることもあるでしょう。

他の家事が待っていることへの焦りもストレスになります。寝かしつけの後に片付けをしたい、洗濯物を畳みたい、明日の準備をしたいなど、やるべきことが頭に浮かぶと、早く寝てほしいという気持ちが強くなります。この焦りが、イライラを生み出します。

時間がかかることへの不安と焦りが、寝かしつけでイライラする根本的な理由です。

自分の時間がなくなる焦り

自分の時間が奪われることも、寝かしつけでイライラする大きな要因です。

一日の終わりに、やっと自分の時間が持てると思っていたのに、寝かしつけに時間を取られることで、その時間がどんどん削られていきます。夫婦で話す時間、趣味の時間、リラックスする時間、何もせずぼーっとする時間など、精神的な充電に必要な時間が失われることは、大きなストレスです。

睡眠時間が削られることへの不安もあります。寝かしつけに時間がかかると、自分が眠れる時間が遅くなります。翌日も早く起きなければならないのに、夜遅くまで寝かしつけをしていると、「また睡眠不足になる」という不安がイライラを増幅させます。睡眠不足は、感情のコントロールをさらに困難にします。

パートナーとの時間が持てないこともストレスになります。夫婦で話をしたい、一緒にテレビを見たい、ゆっくり食事をしたいといった希望が、寝かしつけによって叶わないことがあります。パートナーは自由な時間を過ごしているのに、自分だけが寝かしつけに拘束されているという不公平感も、イライラの原因になります。

やりたいことができないもどかしさもあります。見たいドラマがある、読みたい本がある、やりたい仕事がある、こうした個人的な欲求が満たせないことは、大きな frustration です。自分の欲求を後回しにし続けることは、精神的な健康に悪影響を与えます。

一人の人間としての時間が持てないことは、アイデンティティの喪失感にもつながります。保護者である前に一人の人間であり、自分自身のための時間が必要です。それが持てないことで、「自分は保護者としてしか存在していない」という感覚に陥り、イライラや虚しさを感じることがあります。

自分の時間が奪われることへの焦りと不満が、寝かしつけでイライラするもうひとつの大きな理由です。

寝かしつけでイライラする理由を理解すると、それは異常なことではないことが分かります。

寝かしつけでイライラするのは当たり前

寝かしつけでイライラするのは、決して保護者の愛情不足や性格の問題ではなく、人間として自然な反応です。

多くの保護者が「イライラしてはいけない」「こどもを愛しているのにイライラするなんて」と自分を責めます。しかし、イライラは感情であり、感情は自分でコントロールできるものではありません。寝かしつけという状況が、イライラという感情を引き起こすのは、ごく自然なことなのです。

世界中のどの保護者も、寝かしつけでイライラします。文化や国が違っても、こどもがなかなか寝ない状況では、誰でもストレスを感じます。あなただけが特別にイライラしているわけではなく、寝かしつけを経験するほとんどの保護者が同じ気持ちを抱えています。育児書やSNSで見る「穏やかな寝かしつけ」は、一部の瞬間を切り取ったものであり、現実は誰もが苦労しています。

イライラすることと、こどもを愛していることは矛盾しません。こどもを深く愛しているからこそ、寝かしつけに付き合い、その結果として疲れてイライラするのです。イライラは、頑張りすぎている証拠でもあります。何も感じずに放置できる方が、むしろ問題かもしれません。

一日の終わりという時間帯も、イライラしやすい要因です。朝から夜まで育児や仕事、家事をこなしてきた体と心は、すでに疲労しています。疲れているときは、些細なことでもイライラしやすくなります。寝かしつけは一日の最後の大仕事であり、そこでイライラのピークを迎えることは自然なことです。

保護者も人間であり、感情があります。聖人君子のように常に穏やかでいることは不可能です。イライラしたり、疲れたり、投げ出したくなったりするのは、人間として当然の反応です。完璧な保護者になろうとするのではなく、感情を持つ一人の人間として、自分を受け入れることが大切です。

寝かしつけでイライラするのは異常なことではなく、誰にでも起こる自然な感情反応であると理解することが第一歩です。

イライラが自然な感情だと分かったところで、具体的な対処法を知ることが重要です。

イライラしたときの対処法

イライラを感じたときは、その場でできる対処と、寝かしつけ自体を工夫することの両方が有効です。

イライラは溜め込むと爆発してしまいます。こどもに怒鳴ってしまう、強引に寝かせようとしてしまう、自己嫌悪に陥るといった悪循環を防ぐには、イライラを感じた時点で適切に対処することが大切です。完全にイライラをなくすことは難しいですが、軽減することは可能です。

その場でできる対処

イライラのピークを感じたときに、その場でできる対処法があります。

最も効果的なのは、一旦その場を離れることです。こどもの安全を確認した上で、「ちょっと待ってね」と声をかけて、部屋を出ます。トイレに行く、ベランダに出る、別の部屋に移動するなど、数分間でも物理的に距離を取ることで、気持ちをリセットできます。寝かしつけの部屋から離れるだけでも、心が落ち着きます。

深呼吸をすることも即効性があります。イライラしているときは呼吸が浅くなっています。ゆっくりと深く息を吸い、ゆっくりと吐くことを数回繰り返すだけで、自律神経が整い、気持ちが落ち着きます。寝かしつけをしながらでもできるため、その場ですぐに実践できる方法です。

心の中で数を数えることも有効です。「1、2、3…10」とゆっくり数えることで、イライラの感情から意識をそらすことができます。また、数を数える間に、少し時間が経過し、こどもが落ち着いてくることもあります。焦る気持ちを抑え、ペースダウンする効果もあります。

声に出して気持ちを言葉にすることも効果的です。「今、すごくイライラしている」「早く寝てほしい」と、自分の感情を言葉にすることで、感情を客観視できます。誰かに聞いてもらう必要はなく、独り言でも構いません。感情に名前をつけることで、コントロール感が生まれます。

スマートフォンでリラックスできる音楽を流すこともおすすめです。自分が落ち着ける音楽を聴くことで、気分が変わります。こども用の寝かしつけ音楽ではなく、自分のための音楽を聴くことが、気持ちの切り替えになります。イヤホンを使えば、こどもの邪魔にもなりません。

その場でできる対処法を知っておくことで、イライラのピーク時に適切に対応できます。

寝かしつけの工夫

寝かしつけ自体を工夫することで、イライラを予防することもできます。

寝かしつけのルーティンを見直すことが効果的です。お風呂、歯磨き、絵本、電気を消すなど、毎日同じ流れを作ることで、こどもは「これから寝る時間だ」と理解しやすくなります。ルーティンが確立されると、寝つきが良くなり、寝かしつけの時間が短縮されることがあります。

寝る環境を整えることも重要です。部屋を暗くする、適切な温度にする、静かな環境を作るなど、眠りやすい環境を整えます。豆電球を使う、ホワイトノイズを流すなど、こどもが安心して眠れる工夫をしましょう。環境が整うことで、こども自身が眠りやすくなります。

日中の活動を見直すことも効果があります。日中に十分体を動かしているか、昼寝の時間は適切か、夕方以降の刺激は強すぎないかなど、生活全体を見直します。日中に疲れていないこどもは、夜なかなか眠れません。適度な運動と適切な生活リズムが、スムーズな寝かしつけにつながります。

寝かしつけの方法を変えてみることも一つの選択肢です。抱っこで寝かしていたのをトントンに変える、添い寝から一人寝への移行を試みるなど、今の方法がストレスなら、違う方法を試してみましょう。こどもによって合う方法は異なるため、試行錯誤することが大切です。

時には諦めることも必要です。今日はどうしても寝ないという日もあります。そんなときは、無理に寝かせようとせず、「今日は寝ない日なんだ」と割り切ることも大切です。電気をつけて絵本を読む、少し遊ぶなど、一旦寝かしつけをリセットすることで、かえってスムーズに寝ることもあります。

寝かしつけ自体を工夫することで、イライラの原因を減らすことができます。

対処法を知ることに加えて、心構えを変えることも効果的です。

イライラを溜めないための心構え

イライラを溜めないためには、完璧を目指さず、寝かしつけは大変なものだと認識する心構えが大切です。

寝かしつけは簡単にできるものではありません。「すぐに寝かせられるべき」「毎日スムーズに寝かせるべき」という理想を持つことが、イライラを生み出します。寝かしつけは大変なもの、時間がかかるものと最初から認識することで、気持ちが楽になります。

完璧主義を手放すことが重要です。毎日決まった時間に寝かせる、寝かしつけは30分以内に終わらせるなど、理想を追い求めると、現実とのギャップにイライラします。「今日は時間がかかってもいい」「多少遅くなっても大丈夫」と割り切ることで、自分へのプレッシャーが減ります。

他の家庭と比較しないことも大切です。「○○さんのこどもはすぐ寝るらしい」「うちだけ寝かしつけに苦労している」と思う必要はありません。他の家庭も、表に出さないだけで同じように苦労しています。SNSで見る「すんなり寝ました」という投稿は、うまくいった日のことであり、毎日ではないのです。

今だけと思うことも有効です。寝かしつけが大変な時期は、永遠に続くものではありません。成長とともに、必ず楽になります。「今だけ」「あと少し」と思えることで、耐える力が湧いてきます。辛い時期には終わりがあると知ることが、希望になります。

自分の頑張りを認めることも忘れずに。毎晩、寝かしつけに付き合っていることは、十分頑張っています。イライラしながらも、こどもを寝かせ続けていることは、立派な愛情表現です。「今日もよく頑張った」と自分を褒めてあげましょう。

「ま、いいか」の精神を持つことも重要です。寝る時間が遅くなっても「ま、いいか」、理想通りに行かなくても「ま、いいか」と、細かいことは気にしない姿勢が、イライラを軽減します。完璧でなくても、こどもは育ちます。自分に厳しくし過ぎないことが大切です。

完璧を目指さず、寝かしつけは大変なものだと認識する心構えが、イライラを溜めない鍵となります。

心構えとともに、寝かしつけの負担自体を減らすことも重要です。

寝かしつけの負担を減らす方法

寝かしつけの負担を減らすには、家族で分担し、時には助けを借りることが効果的です。

寝かしつけを一人で抱え込む必要はありません。家族で協力する、外部のサポートを利用するなど、負担を分散させることで、イライラを軽減できます。自分一人で全てをやろうとせず、周囲の力を借りることが、長期的には良い育児につながります。

パートナーと交代で寝かしつけをすることが最も効果的です。月・水・金は自分、火・木・土はパートナーというように、明確に役割分担をします。毎日交代することで、休める日ができ、精神的な余裕が生まれます。パートナーも寝かしつけの大変さを理解できるため、共感し合えるようになります。

祖父母に頼むことも検討しましょう。近くに住んでいる場合は、たまに泊まりに行く、週末に来てもらうなど、寝かしつけを代わってもらうことができます。一晩でも寝かしつけから解放されることで、心がリフレッシュされます。頼ることで、祖父母も孫との時間を楽しめます。

寝かしつけの方法を簡略化することも一つの方法です。絵本を読む、歌を歌う、長時間抱っこするなど、手間のかかる方法を続けていると、負担が大きくなります。トントンするだけ、添い寝するだけなど、よりシンプルな方法に変えることで、保護者の負担が軽減されます。

一人寝への移行を検討することも選択肢です。年齢が上がってきたら、段階的に一人で寝る練習を始めることで、寝かしつけの時間が短縮されます。最初は不安がるかもしれませんが、徐々に慣れることで、保護者の負担は大幅に減ります。

自分の時間を確保することも忘れずに。寝かしつけの後に自分の時間が持てるよう、家事は翌日に回す、完璧を求めないなど、工夫が必要です。週に一度でも、パートナーに寝かしつけを任せて外出する、趣味の時間を持つなど、自分のための時間を意識的に作りましょう。

専門家に相談することも選択肢です。なかなか寝ないことに医学的な理由がある場合もあります。睡眠外来や小児科で相談することで、適切なアドバイスを受けられることがあります。専門家の意見を聞くことで、安心できることもあります。

家族で分担し、必要に応じて外部のサポートを利用することで、寝かしつけの負担を減らすことができます。

最後に、イライラする自分を責めないことが何より大切です。

イライラする自分を責めないために

イライラする自分を責めることは、状況を悪化させるだけであり、自分を許すことが回復への第一歩です。

多くの保護者が、イライラした後に強い罪悪感を感じます。「こどもに申し訳ない」「自分はダメな親だ」と自分を責めることで、さらに心が疲れてしまいます。しかし、自分を責めることは何の解決にもなりません。むしろ、自己肯定感を下げ、さらにイライラしやすくなる悪循環を生みます。

イライラは感情であり、感情に良い悪いはありません。感じることは自然なことで、コントロールできるものではないのです。イライラを感じた自分を責めるのではなく、「今、こういう感情を持っている」と認めることが大切です。感情を認めることで、適切に処理できるようになります。

完璧な保護者はいません。誰もが失敗し、イライラし、後悔します。SNSで見る完璧に見える保護者も、裏では同じように悩んでいます。自分だけが特別にダメなわけではありません。不完全であることが、人間として正常なのです。

こどもは保護者の完璧さを求めていません。完璧な保護者よりも、ありのままの保護者を愛しています。たまにイライラしても、基本的に愛情を持って接していれば、こどもは健全に育ちます。一回一回の失敗ではなく、日々の積み重ねが大切なのです。

自分を労うことを忘れないでください。毎晩、寝かしつけに付き合い続けていることは、すごいことです。イライラしながらも、こどもの世話を続けていることは、立派な愛情表現です。自分の頑張りを認め、「よくやっている」と自分を褒めてあげましょう。

失敗したと感じたときは、謝ることも大切です。こどもに怒鳴ってしまったら、「さっきは怒鳴ってごめんね。お母さん(お父さん)も疲れていたの」と謝ります。謝ることで、自分の気持ちも整理できますし、こどもに謝罪のモデルを示すことにもなります。完璧でなくても、修復できることを示すことが大切です。

自分自身に優しくすることが、結果的にこどもにも優しくできることにつながります。自分の心が満たされていないと、他者に与えることはできません。まず自分を許し、労い、大切にすることが、より良い寝かしつけへの道です。

寝かしつけでイライラするのは、時間がかかるストレスと自分の時間が奪われる焦りが原因であり、誰にでも起こる自然な感情です。イライラを感じたときは、その場を離れる、深呼吸をするなどの即効性のある対処と、寝かしつけのルーティンを見直すなどの工夫が有効です。

完璧を目指さず、寝かしつけは大変なものだと認識し、家族で分担するなど負担を減らすことも大切です。そして何より、イライラする自分を責めず、不完全な自分を許すことが、寝かしつけの時期を乗り越える鍵となります。

監修

代表理事
佐々木知香

略歴

2017年 本田右志理事長より右脳記憶教育講座を指南、「JUNKK認定マスター講師」取得
2018年 幼児教室アップルキッズをリビングサロンとして開講
2020年 佐々木進学教室Tokiwaみらい内へ移転、「佐々木進学教室幼児部」として再スタート
2025年 一般社団法人 日本右脳記憶教育協会(JUNKK)代表理事に就任
塾講師として中高生の学習指導に長年携わる中で、幼児期・小学校期の「学びの土台づくり」の重要性を痛感。
結婚を機に地方へ移住後、教育情報や環境の地域間格差を実感し、「地域に根差した実践の場をつくりたい」との想いから、幼児教室アップルキッズを開校。
発達障害や不登校の支援、放課後等デイサービスでの指導、子ども食堂での学習支援など、多様な子どもたちに寄り添う教育活動を展開中。